丹後由良から舞子まで自転車で走る                   (山椒大夫のことなど)

4日~5日に中高生10人と日本海から瀬戸内海まで
自転車で走るイベントに、ボランティアで参加する。
コースは丹後由良→福知山→市島→氷上→山南→三木→舞子
というコースである。

イベントの感想に入る前に「山椒大夫」のことを書きたいと思う。
というのは「丹後由良」というところは、「山椒大夫」の在所である。
山椒大夫というのは、「ベレー帽心」をくすぐるテーマである。

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                      由良川河口から上流を見る


「安寿と厨子王丸」は幼少のころ絵本で読んだが
涙さそう話だったことを思い出す。

森鴎外の小説「山椒大夫」はあまりにも有名であり
最近では、溝口健二の映画「山椒大夫」を見たが
溝口映画ならではの美しいシーンが繰り出され
白黒映画ながら、見入ってしまったことを思い出す。

このように「山椒大夫」の名はよく知っていのだが
あまりその実態については知らないでいる。

「山椒大夫」は製塩を経済基盤とする
この地でかなりの勢力をもっていた土豪で、
漁業、農業、工芸といった多角経営を行い
労働力確保のための「人買い」まで行っていた。
というのが、あらかたの人物像だと思うが
何か「中世経済」に関する奥深いテーマが隠されているようである。

しかし今回は、自転車旅行ボランティアがメインである。
「三庄太夫屋敷跡」の標識を横目に泣く泣く通過した。
必ずやまた、「山椒大夫ベレー帽ツアー」を企画したいものである。




さて、自転車ツアーであるが、
例年、市の青少年会館が開催しているイベントで
私の所属する自転車同好会が
走行のサポートを毎年している。


[コースの選定]
このごろの国道は、
ほとんど自動車専用道路みたいになっていて
自転車の走る余地はほとんどない。
危険だし、風景も単調で、排気ガスで健康にも悪い。

とういうことで、私にコース選定を任されたので
事前にできるだけ、交通量の少ない
間道を選んで選定する。

バイパスが新しくできて、旧道が残されているところは
交通量も少なく、昔の町並みが残り、走っていても風景が楽しい。
さらに、望むらくは、車以前の街道があれば申し分ない。

国土地理院の2万5千分の1地形図の道を
トレースする作業は楽しいものである。

今回特によかったのは、社町から南坊に抜ける道で
高位段丘の端を走る、景観変化にとんだ小道であった。
どうも昔の街道跡らしく、
南坊には「大坂 ありま道」の石碑が立っていた。
正解である。





[子供たち]
参加した子供たちは中学生、高校生の10名だった。
みんな集団行動がちゃんとできる子供たちで
150kmを最後まで完走した。よかったね。

私の子供のころは、ドロップハンドルの自転車なんて
誕生日3回分くらいのプレゼントであったのだが
このごろの自転車は、ホームセンターで売っているような
安いMTBもどきでもちゃんと変速ギアが装備され
けっこう長距離を楽に走れる。
なかには、私が見ても高そうな自転車をもっている子供もいる。

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しかし、彼らは自転車の性能より
体力でカバーするところが多く
ギアチェンジなんかしなくて、
「立ちこぎ」で登坂をなんなくこなすし、
動きにくく、暑いジーンズをはいて
ジャケットの前を開けて風をはらまして
走ってもなんともないのである。
「しんどさ」を感じない若さは良いなあと思う。

コンビニと携帯は彼らの好物である。
休憩にコンビニに立ち寄ると、目の色を変えて
商品の購買活動を開始する。
携帯をもっている子は、暇があればいじっている。
携帯が音楽メモリー機器の場合もある。

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夕闇迫る17時ごろ舞子にゴールしたのだが、
私の観察する限り、感動していたのは
スタッフや出迎えの大人たちであって、
子供たちは、けっこう醒めた会話をしていたりする。

今回の旅で、彼らは何を見たのか。
彼らが感動した風景はあっただろうか。
彼らにとって「美しい風景」とは何だったか
尋ねたいものだ。

子供たちと旅をすると、教えられることも多い。
彼らは私が考えているよりずっとオトナなのかもしれない。








山椒大夫・高瀬舟 他四編 岩波文庫 緑 5-7

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  • 「さんせう太夫」のことなど (山椒大夫拾遺)

    Excerpt: 連休に丹後由良に行ってから、 「山椒大夫」のことが気になり始めていたが、 今日、散らかった部屋と本棚を整理していると、 岩波書店の「図書」2007年5月号の中に 「さんせう太夫」(四方田犬彦).. Weblog: ベレー帽通信 WEST racked: 2007-05-19 11:52