成ケ島 に自然観察に行く

成ケ島は、紀淡海峡にある細長い砂州の島だ。
かねてから行きたい場所のひとつだった。
対岸の由良からわずか500mほどなのだが、
普段は渡しの船がなく、なかなか行く機会のない場所だった。
今回、所属する会の自然観察会が成ケ島で開催されるので、
喜んで参加することにする。

最近知り合いになった、ⅰさんに声をかけると
家族そろって参加するという。
便乗させてもらい、由良港に向かう。

由良港からは、渡し舟が用意されていて
それに乗り、成ケ島へ上陸する。
船で島へ上陸するという行為は、
いつもわくわくするので大好きである。

上陸後、成ケ島から対岸の由良を望む。

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上陸するとさっそく目についたのが、
ハマゴウの群落である。

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かつては、高砂から姫路にかけての砂浜によく群生していたが
今はほとんど見られない。
ちょうど紫の花をつけていて、
清楚な感じで好きな海浜植物のひとつである。


しばらくすると、今日の案内人、Hさんが登場した。
かなりお年と見受けられるが、
熱烈に成ケ島の生物について、語り始める。
次から次へと繰り出す、植物の名前と解説に、
頭のメモリがパンク状態になる。

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ダンチク について説明するHさん。
ウバメカシ群落の林縁に ダンチク が群落を形成している。


30haほどの細長い島であるが、
実に環境変化に富んだ島で
多くの種がすみわけを行って
それゆえ320種ほどの植物が確認されている。

多様性が高いと言われる屋久島でも
50000haで1280種だから
haあたりで比較すると
成ケ島 10.6種/ha
屋久島 0.025種/ha
で、その種の密度にはおどろいてしまう。

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なんといっても、このような広大なラグーンが見られるのは
近畿では他にないのではないだろうか。
塩湿地、砂礫地、草地、照葉樹林が一度に、これほど
平面的に広がるところは圧巻である。

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ちょうど、 ハマボウ の黄色い花が見ごろである。
自生でこれだけの大木は見たことがない。
この ハマボウ が島内のマングローブを形成している。
ハイビスカス と同じ仲間で、日本原産で
学名も Hibiscus hamabo となっている。


ハマゴウ の群落内に自生する ハマユウ
りっぱな株である。

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砂浜からハマゴウ群落、その背後のウバメガシ、ハマボウ群落への移行がよくわかる。
いい感じの景観である。

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このような塩沼地もあり、周りに ハマボウ のマングローブが広がる。
こんな場所が神戸から2時間ほどのところにあることは奇跡だ。

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しかし、ごみの漂着物が多く、
20年も前から、市民活動により、清掃活動が続けらているが、
2,3週間でまたごみが一杯になるそうだ。


紀淡海峡、友が島、紀伊半島を望む。
水際で遊ぶⅰ兄弟。
夏の砂浜の懐かしい風景だ。

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ハマボウ林内のわずかな空地に咲いた、 オニユリ(鬼百合) の群落
これまた、今ではなかなか見れなくなった、懐かしい夏の風景だ。

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成ケ島は少なくなった アマモ の生息地がある。
アマモ は一見、海藻のようであるが、
実は汽水域に生える種子植物である。
藻でなく草なのである。

アマモ は水のきれいな汽水域でしか生息できないため
環境指標植物である。
ジュゴン が アマモ をえさとしていることでも知られている。

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今回は、珍しい コアマモ の生息地も見ることができた。
写真の両端は アマモ であり、真中が コアマモ である。
今回はじめて コアマモ の実物を見たが意外と小さい。




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石礫地に咲く ハマナタマメ の可憐な花。
こんな過酷な環境で、よくこんな美しい可憐な花を咲かせるものだと感心する。



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なにか異星の生物を思わせる ハマアザミ
手塚治虫の「火の鳥」宇宙編だったと思うが、
このような風景を描いたコマを思い出す。


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時間の経つのも忘れ、
あっという間に、15時になって
雨も降ってきたので退散する。

今日は、ベレー帽三昧の一日となった。
もう、ベレー帽は腹いっぱいである。

本日の手引をしていただいた
大ベレー帽、H老師 に大感謝である。

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兵庫・水辺ネットワーク 第55回フィールドワーク 2007.6.20

成ケ島探見の会
成ケ島を美しくする会
由良・生石研究村












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この記事へのコメント

beret-Est
2007年07月21日 16:33
こんな島が近くにあったとは、全く知りませんでした。もし機会があれば(というかシーカヤックしますか?)、是非ご案内いただければありがたいですね。かんぺきなベレー週末ライフ、脱帽します。
zenstone
2007年07月21日 19:36
ゴミと宝が共存する現代のワンダーランドでしたね。
H氏の話を聞きながら、中一の時の担任のK先生を思い出しました。山登りと植物の好きな理科の先生。よく舞子墓園に生徒をつれだしては植物の名前を教えてくれました。植物の名前なんかこれっぽっちも覚えていないけれど、初めて憧れた先生。K先生には今でも飲みにつれていってもらってます。だからいまだに植物の名前をよく知っている人はステキだなと思ってしまうところがあります。
2007年07月21日 23:31
beret-Estさん
Estさんなら、由良からお茶の子で泳いで上陸できるでしょう。毎年今時分、成ケ島の自然を見て考える会というのをやっているのでまたお知らせしましょう。
それはそうと、カヤック計画もぼちぼち進行させないといけませんね。安上がりで機材を調達する方法はないですかね。練習をして、北海道の天塩川下りとか西表島、ユーコン川下りとか、実現したいですねえ。
2007年07月21日 23:50
zenstoneさん
漂流ごみ問題は、今や世界どこへ行ってもあるのでしょう。
植物が好きで名前をよく知っている先生は、私の小学校時代にもいました。フィールドで学んだことは、強烈に記憶に残りますね。いまはそんな先生はなかなかいないようですね。私は、小学校3年の夏休みに母親に植物採集の楽しみを教えてもらいました。それ以来、植物の名前を覚えるようになりました。Rin君はその素質があるのでは?

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