花の窟 を訪れる (beret-expedition2008 §7)

はイザナミノミコトがカグツチを生んで
両者が葬られた地として
日本書紀に熊野の有馬村と記されたところだという。
今回、ぜひ訪れたいと思っていた場所だ。

砂岩と思われる50mほどの崖に
いくつか侵食によってうがたれた穴が見える。

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崖の頂上から、梯子状に編まれたかざりのついた縄が
海岸の松林まで引かれている。
この縄は毎年2月2日、10月2日に新しくされる。

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今となっては、古代に、この場所が
どのような意味を持った場所かは知る由もない。
注連縄とはまた違った形態の意匠の縄飾りの意味もわからない。

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何か、古代の聖地であったことは伺える。
現在も、願いを書かれた絵馬石という白い石が磐のくぼみに積まれてある。

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白い石は、あたかも骨のようである。
私はこれを見て、
ここは日本書紀云々以前の
古代人の埋葬地だったのではないかと思った。

この地で暮らした海洋渡来民族

愛しい者が亡くなると
残されたものは、
海の見える窟の高いくぼみに屍を置き
そこから縄を地上まで引き
亡くなったものとの記憶を
保とうとしたのではないだろうかと思った。








花の窟に関して、記紀の記述を整理しておく

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イザナミの埋葬地は記紀により異なる。

古事記 (712成立 稗田阿礼 太安万侶)
 
出雲と伯耆の堺 比婆山


日本書紀 (720成立 舎人親王)

熊野の有馬村


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イザナミの窟(左)に相対してあるのが、カグツチの窟(右)である。

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古事記 要約

火の神カグツチを生んだイザナミは性器に大火傷を受けて亡くなる。
死の悶絶の中で、イザナミは激しい嘔吐、大小便の中から
金属と陶土の神々
食物豊饒の女神が生れる。
夫、イザナギは生れたばかりのカグツチの首を絞める。
そこから、改めて様々な火の神が誕生する。

黄泉の国に行ったイザナミは黄泉津大神となる。
夫イザナギは彼女を人間界に連れ戻そうとするが
イザナミは黄泉の国で火で焼いたものを食べたので連れ戻せない。

イザナミは変わり果てた姿をイザナギに見せたくない。
振り返らないようイザナギに懇願するが
約束を破り、イザナミのおぞましい変わり果てた姿をみてしまう。

宇士多加礼許呂呂岐弖
「うじたかれころろきて」
稗田阿礼はこう語った。

うじは蛆、ころろは「ごろごろ」という低い音
死体に蛆が音を立てて群がるという、なんとおぞましい光景。

古事記を筆記した太安万侶は
ここだけ漢文でなく語り言葉で記述した。



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記紀における神の2系譜

1 被征服者
   クニツカミ
   スサノオ、オオクニヌシ
   狩猟系
   母系
   縄文

2 征服者
   アマツカミ
   アマテラス、ニニギ
   農耕系
   父系
   弥生


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たたら関連 拾遺

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拝殿の入口に見事な玉石があったが
これは古代たたらで、冷却した鉧を小割するために使った
「ゆるぎ石」ではないのかと思う。

「ゆるぎ石」は土台の「亀石」と一対で
亀石の上に鉧を置き、ゆるぎ石を転がし粉砕する。

これに関して
後に訪れた本宮でも
「亀石」「大黒石」の一対の玉石を見たが
これらの玉石に関しては調査の必要がある。


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