神子畑選鉱所跡に行く (朝来市佐嚢)

奥深い谷間に突然現れる、巨大なじょうご型の構造物と斜面のコンクリート構造物に圧倒される。
明延鉱山の鉱石を選別した、日本近代化産業遺産のひとつ神子畑選鉱所跡に立ち寄った。
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階段状になった選鉱所は、明延から運搬した錫鉱石を、上から下に落としながら選別していくという、重力を利用した効率のいいシステムだったことが分かる。
規模:斜距離165m、高低差75m、22段
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物資の移動に利用したインクライン跡も残っている。ケーブルカーのようなものだ。
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シックナーと呼ばれる巨大なスラッジ濃縮装置に近寄って見る。残念ながら、内部には入れないし、上からの俯瞰もできない。
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すでに、コンクリートの老朽化が忍び寄る。
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これはおそらくスラッジを下部から引き抜くポンプだろう。
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ポンプに電力を供給した巨大なトランスや配電盤も放置されている。
ひと気が無いので、SF映画の最終戦争後の破壊された世界の1シーンのような光景だ。
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説明看板には東洋一の「比重選鉱」施設だったと説明してあるのみで、どのようなシステムであったか詳しいことはよくわからない。
大正6年から昭和62年まで稼動している。
これら巨大な遺物を見ていると、稼動当時は、当時の最先端技術と莫大なエネルギーを投入して、岩石から有用金属を分離していたことが伝わってくる。




鉱石を明延から運搬した1円電車も保存されている。
客車は「わかば号」である。
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神子畑小学校跡
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神子畑小学校体育館跡
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多くの従業員の子供たちが学んだのだろう。


小学校跡の横の旧道の風景。

橋のそばの大きなイチョウが、時間の流れを黙って見ている。
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気根が垂れ下がるイチョウ。
集落にはひと気が無いが、前掛けのまだ新しい地蔵が3体祀られている。
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旧道沿いに、大きな商店だったような構えの家屋が残る。
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谷を埋め尽くす膨大な量のボタ(鉱砕)が異様だ。
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おそらく当時、日本の鉱業技術は世界のトップレベルであったのだろうが、
残念ながら、原石の含有量や採掘条件から競争力をなくし、
国内から撤退せざるをえなくなったのだろう。


今、すでに電子ディバイスの分野でも同じような道をたどろうとしているのではなかろうかと思う。

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