「河童の三平」ラストシーンの生み出された背景

「河童の三平」の貸本版の復刻を手にしたので読む。
原本は兎月書房で1960年(昭和35年)発行。

8巻が発行されたが、結局、出版社の都合で打ち切りとなり
やむなく、主人公の三平の死という形で終わることになる。

貸本版のラストシーン
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のちの ちくま書房版のラスト
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河童の三平のラストで三平が死ぬというのは、
このような現実的な背景があったのだ。
確かに貸本版全8巻のうち、第6巻の後半あたりから話が暗くなってくる。

水木しげる年表によると、
兎月書房で貸本デビューをしたのが昭和33年
そののち、昭和37年に兎月書房が倒産している。
このような、貸本出版社と水木との関係が作品に反映している。

復刻版の後ろ書きで、
ぼくはやむなく三平を殺してしまい、あといくら注文があっても続きを書けなくなった。
これは水木しげる生涯の最大の失敗だった。
ぼく自身も、死んでしまったものを生かして書くのは、何かウソをついているようで苦しい。
「河童の三平」をみると、いつもバカなことをしたものだと残念でならない。
と、言っている。

確かに、主人公の子供が死ぬマンガなどめったにないが、
人はいづれ死ぬものであるという、水木しげるの人生観が強く現れている作品であり、
その全体を流れる優しさあふれる叙情的というか、牧歌的ストーリーは
何回読んでも、引き付けられるものがある。









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河童の三平 下 貸本まんが復刻版 (角川文庫)
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昭和25年 兵庫区水木通でアパート経営
昭和27年 新開地で見た映画を元に紙芝居を描く
昭和28年 水木通のアパートを売り払い西宮市へ
昭和31年 テレビの普及により紙芝居が低落
昭和32年 紙芝居に見切りをつけ上京し貸本マンガ


水木の年表はこの本が詳しい

水木は博覧強記の人であることが分かる。


屁のような人生 ――水木しげる生誕八十八年記念出版――
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