日本の土(山野井徹)を読む

クロボクという土がある。
大学の土壌学では火山灰が成因であると教えられた。
しかし、どうも人為的に作られた土壌であるという。
それも縄文人が作ったという。




確かに、阿蘇山とか蒜山とかに行くと、黒々とした土壌に出会う。
当然、火山の噴出物由来のものと思い込んでいた。
画像

               2004 蒜山にて撮影




しかし、筆者はその中に含まれる多くの微粒炭に着目し、
それは、イネ科の葉の炭化物であることから
クロボクの黒さは人為的に行われた火入れが成因であると言う。

土壌学では肥料吸着が顕著で土壌改良が必要な土だと教わった。
とすると、実はそれは炭素の吸着力であったのだ。


さらに筆者はクロボクは長い縄文時代の生活史の遺跡でもあると言う。
このことを裏付ける興味深い図版が掲載されていたのでアーカイブしておく。
画像



しかし、クロボクからはそれほど縄文遺跡が見つからないのは、なぜか。
住居の外に火入れを行う世界があり、そこがおそらく狩猟などを行う場所だったのだろう。
画像



クロボクが縄文人の生活の痕跡だとすれば、
なんと膨大な時間の営みがそれも広範囲に残されているのだろうか


同じく思いを巡らすと、人類が滅び去った遠い未来、
コンクリートが成因の膨大な、
炭酸カルシウムの土壌層が世界各地に残されるのかもしれない。


縄文時代とクロボクについては第4章のみだが、久々の面白い本であった。


日本の土: 地質学が明かす黒土と縄文文化
築地書館
山野井 徹

amazon.co.jpで買う
Amazonアソシエイト by 日本の土: 地質学が明かす黒土と縄文文化 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル


ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!

ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。

→ログインへ

なるほど(納得、参考になった、ヘー)
驚いた
面白い
ナイス
ガッツ(がんばれ!)
かわいい

気持玉数 : 0

この記事へのコメント

この記事へのトラックバック