ソロスの講義録(ジョージ・ソロス)を読む

ソロスといえば、クオンタムファンドの創始者であることぐらいしか知らなかった。
しかし、この本を読んで、彼が先の大戦で迫害を受けたユダヤ人であり、
哲学者であり、自由主義政治活動家であることを知った。

「再帰性」
人間の行動は世界を「認知」すること
また世界を変えようと「操作」することからなる。

「現実世界」を認知し操作することで
世界は「理解世界」となる。

また「理解世界」を認知し操作することで
世界は「現実世界」となる。

この方向は相互補完の関係にあり、
人間社会における出来事は「再帰性」がある。

金融面での再帰性に
「バブル」と「通貨市場」がある。

グラフ化すると
バブルは左右非対称に進行するのに
通貨市場は左右対称に進行する。

市場の関係者はすべて正しい判断で行われているのではない。
(当然といえば当然)



「啓蒙の誤謬」
啓蒙主義は世界を科学的に説明できるとした。
しかし、「再帰性」のために人間社会は説明不可能である。
これを啓蒙の誤謬と彼は言う。



市場原理主義への批判

彼はファンドで巨額の富を得たにかかわらず、
市場原理主義に対し批判的である。

「見えざる手」に市場を任せるのでなく
なんらかの規制がないと社会の崩壊を招くという。

また、市場の欠陥に「代理人問題」がある。
代理人問題とは、「天然資源の呪い」にたとえられるように
資源が豊富な国に限ってまるで呪いを賭けられたように
政治腐敗、暴政、内乱などで苦しみ人々の生活は貧しく惨めになるというものだ。
これには「代理人問題」が背景にあり、
この場合の、代理人とは、資源国の政府(役人)であり
資源を買い受ける国の、商社である。

共産主義の失敗においても「代理人問題」があった。
すなわち、マルクスのビジョンは理想であったが
共産主義の指導者が「代理人問題」を演じたからである。



なかなか、読み応えのある本であった。

当のソロスはファンドで巨額の富を得たというのが附に落ちないかもしれない。
しかし、哲学者になりたかったが
ユダヤ迫害のため先の大戦で、家族ともに生死のラインにいたという
彼のおいたちをかえりみると、
投機家でなく、哲学者、政治運動家としての
素顔が見えてくる。







ソロスの講義録 資本主義の呪縛を超えて
講談社
ジョージ・ソロス

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