世界はシステムで動く(ドネラ・H・メドウズ)を読む

久々の目からうろこ本。
社会や自然界で起こっていること、その因果をわかりやすく説いてくれる。
この本に、もう少し早く巡り会っていたなら、モノの見方や思考形態が少し変わっていただろう。
まあ、今からでもいいのだが。

【メモ】


§3 システムの機能


1 レジリエンス

元の形に戻ろうとする柔軟性のこと
反対語としてもろさや硬直性
レジリエンスのあるシステムは強い

自然は本来、レジリエンスのあるシステムだが、外的攪乱によりレジリエンスを失う。


2 自己組織化

システムが自らの構造をより複雑にしていく能力のこと
コッホの雪片構造
フラクタル構造
シンプルな組織化のルールが複雑な自己組織を作る


3 ヒエラルキー

サブシステムの階層化
曼荼羅
宇宙構造
細胞構造

ヒエラルキーから離れた細胞の部分最適化は「がん」



§4 なぜシステムにびっくりさせられるのか

システムは「ああでもあるし、こうでもある」ということ
我々にとってインプットとアウトプットがよいものであれば、
もしかしたら我々は予想できるかもしれないが、
うまくいかなければ、我々はブラックボックスシステムのふたをこじ開けなければならない。

システムが作り出すものに心を奪われ、
その経緯の中に、出来事を生み出す構造の手掛かりを
探すことが下手なのだ。


システムの境界の線引きがあまりにも狭いとシステムにびっくりさせられる。

本来、非線形であるのに線形モデルに扱おうとする。



1 限定合理性

残念ながら世の中には人々が短期的な最善の利益を求めて合理的に行動しつつ
それが合わさって生み出される結果は
誰もほしくないものになっているという例が多い。

それは「限定合理性」と呼ばれるもので
「人は自分の持っている情報に基づいてきわめて合理的な意思決定を行う」
からだ。
すなわち
ハーマン・デイリーの言う「見えざる足」
経済学者ハーバート・サイモンの言う「限定合理性」

意思決定者にとってより遠い情報は完璧でないからである。

その改善方法はシステムそのものを作り替えるしかない。


§5 システムの落とし穴

共有の資源があるとき、どの利用者からも直接的に利益を得るが、
その過剰な利用のコストは全員が分かち合うことになる。
その結果、利用者の意思決定のフィードバックはとても弱く、
その結果、資源は減衰し、誰も使えなくなる。

その脱出方法は、利用者に対する教育で、資源の過剰利用の結果を理解させる。



1 エスカレート

パーティでどんどん騒がしくなり、リムジンがどんどん長くなり、
ロックバンドがどんどん下品になるのは、
エスカレートのシステムがあるから

その脱出方法は、武装解除の交渉をする。
競争をとどめるための統制を行う。


成功者はさらに成功するというシステム
自己強化型フィールドバックが形成されると、
最後に勝者はすべてを得て、敗者は消え去る

その脱出方法は、多様化すること。
そして、新たにゲームを始める。


2 介入者への責任転嫁

システムの問題に対する解決策が、症状を減らすが、根本的な解決にならない。
たとえば、現実逃避の麻薬など
壊滅的な自己強化システムが働き出す。

その脱出方法は、落とし穴そのものにはまらない。
すなわち、麻薬に依存しない。



3 誤った目標の追及

インドの家族計画の例
避妊リングの装着数で評価していた。

GNPは決して人々の幸福度を表してはいない。

その脱出方法は、結果とそれを得るための努力を混同しない。



ヨットの設計目標
ヨットレースのためのヨットの設計はレジエンスを失ったものになってしまい、
到底実用でないもので、レースのルールか何かが変更されれば、
使い物にならないヨットになっている。




§6 レバレッジポイント

小さな変化が挙動の大きなシフトをもたらすシステムの場所のこと


システムに深く関与している人々は何処を探せばレバレッジポイントがあるか
直感的にわかっている人が多いが、たいてい間違った方向に押してしまう。
(J・フォレスター)

経済成長はあらゆる問題の解決になると思っているが、
そのコストも生み出す。
実は必要なのは、低速での成長や、マイナス成長


12 パラメーター(数値)

システムのパラメーターをいじることはほとんど無意味
ほとんどのシステムは決定的なパラメータから遠く離れたところに
とどまるようできているかそのように発展してきている。

11 バッファー

10 ストックとフローの構造

9 時間遅れ

フィードバックシステムにおける時間遅れは振動の原因となることがよくある。
情報はタイムリーでも、反応がタイムリーでない

8 バランス型フィードバックループ

非常時のための対応メカニズムを、ほとんど使われていないという理由で
削ると、長期的には生き残る条件を狭める


7 自己強化型フィードバックループ

いずれ破滅を招くシステムであるので、ほとんど存在しない。

6 情報の流れ

オランダの電機メータの設置場所と電気消費量の話
情報にアクセスする場所

5 ルール

4 自己組織化

3 目標

2 パラダイム

常に古いパラダイムの異常や失敗を指しつづけること。
新しいパラダイムに基づいて話し、行動を続けること。
新しいパラダイムを持った人々をみんなに見え権力のある場所に置くこと。
反動主義者にかかわって、時間を無駄にしないこと。
能動的な変化の担い手や、偏見のない中立的な多くの人々とともに活動すること。
(トマス・クーン)


1 パラダイムを超越する

柔軟でありつづけるこ。
真実であるパラダイムなど存在しないことを知っておくこと。

手放して分からないという状態。
仏教の悟りの境地








作者ドネラ・H・メドウズは、『世界がもし100人の村だったら』の原案となった
「村の現状報告」などを書いたコラム「地球市民」の作者でもある。















世界はシステムで動く ―― いま起きていることの本質をつかむ考え方
英治出版
2015-01-24
ドネラ・H・メドウズ

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