奴隷のしつけ方(マルクス・シドニウス・ファルクス)

いかにも古代ローマの実在人物マルクスが書いた本のようだが、実はジェリー・トナーというケンブリッジ大学の古典学研究者が古代ローマの文献を駆使しながら、古代ローマの奴隷について語る。非常に興味深い本。

これを読むと、古代ローマの奴隷は社会を維持していく上で当然のこととして存在しなくてはならないものであったが、一般ローマ人は奴隷の扱いに苦心していたことがわかる。

現代人の目から見れば、組織での管理者がやっていることが、古代ローマの奴隷管理方法と、ほとんど同じであることに感心してしまう。

古代ローマにおいて、地方の農園の管理は、ローマに住む主人が、管理人の奴隷を使って、農場の労働者である奴隷を管理させている。まさに、会社の本店管理部門と支社の関係を見るようである。

奴隷もいろいろあって、戦争で捕虜になって奴隷となるもの、奴隷の子として生まれるもの、罪を犯して自由人が奴隷となるもの、また、奴隷も持っている知識や技量によってその使い道が異なる。生涯奴隷である者もいるが、主人の解放により自由人となるものもいる。

さらに、著者のマルクスが言うには、裕福な奴隷所有者であっても、色欲や飽食といった悪徳に染まっていればむしろそのほうが真の奴隷というのではないか。

古代ローマの奴隷制を書いたようだが、実は現代社会における労働の実態を書いているのかもしれない。


奴隷のしつけ方
太田出版
2016-04-08
ジェリー・トナー マルクス・シドニウス・ファルクス

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偶然にも、訳者は先日読んだ「ちゃぶ台返しのススメ」の訳者と同じ橘明美

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