フランス料理の手帳 辻静雄

これはなかなかいいエッセイである。いまどきこのような本にはめったに巡り会うことはないが、それもそのはず1973年に出版されたものの復刻版である。

いいエッセイ集だからどこから読んでもとてもいいのだが、その中でいいと思ったのは「アンナの手帳」だ。これは、料理を生涯の生業にしている者に共通する、大げさだが真理のようなものが綴られている。

アンナという名もない料理女のメモ帳を編集して本にしたものを、辻さんは偶然手にするのだが、それをあるときふと思い出して読み始める。アンナの生涯は生きるために料理をし、ひとりで子供を育て、そして亡くなっていく。

辻さんは料理研究家として、この本を買ったのだが、アンナの料理のレシピの覚えとしてでなく、とりとめもない覚え書きに、アンナという料理人の霊感といったものを感じる。料理の説明の後に、その時々の印象が記されているからである。

この章を読むだけでも、このエッセイ集がいいものであることが実感できるだろう。


「金持ちのためのヨーロッパ案内」 チャールズ・グレイヴズ
世界中の金持ちにならって、金に糸目をつけずに、のんびりと、きれいなホテルに泊まり、おいしいものを食べ、気の利いたおしゃれをし、旅して歩くのは誰もやってみたいことだろう。そうすれば、たとえ2週間の旅行でも一生の思い出に残るようなことが出てくるはずであろう。こんな旅行をする人は人生も終わりにきているのだから、先を急ぐ旅行をする必要もないのかもしれない。



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