人はどのように鉄を作ってきたか(永田和宏)

製鉄の歴史4000年、興味深いものがある。
素材として4000年もの間使われ続けた鉄。当たり前だがその製法原理は昔から変わっていない。
しかし、和鋼の素晴らしさは格段であることを改めて認識する。

和鋼の歴史をまとめておく。

6C後半 製鉄伝来
      長方形箱型炉 中国・九州に分布
8C  半地下式縦型シャフト炉 静岡以東に分布
8C末  赤鉄鉱石(ヘマタイト)が枯渇 砂鉄に移る
12C  たたら大型化
17C半 送風装置開発  のたたら多く作られる
江戸時代 高殿システム 運送手段の発達
1691  天秤たたらの発明 永代たたらによる企業化
      
昭和8 玉鋼の不足から 国策「靖国たたら」創業 奥出雲町横田
戦後  「日刀保たたら」として復活  


たたらに適している風を「かたい風」といい、湿気のない、乾燥した、冷たい、谷風がいい。
常時、下流から上流に向かう風
菅谷たたらは菅谷川と雨谷川の合流点に建っている。

ふいごは砂鉄0.1mmを吹き飛ばさないようにしなければならない。
磁鉄鉱は還元が難しい。1350~1400℃を維持
COによる還元を利用。高温は炭と火吹き竹の原理を応用。
炉は粘土であるため、水分処理の問題を解決。
18Cは小氷河期で気温が低かった。

花崗岩の砂鉄含有量は数%
かんな流しにより90%に濃縮
真砂小鉄の産地は限られ、出雲、伯耆、千種、久慈
赤目小鉄(チタン酸鉄鉱石)は融点が高く、燃料代がかさみ採算性が悪い。
産地 備後



フィンランドのルッペ製造
湖底から鉄鉱石を採取し木炭高炉で銑鉄を製造する。

スウェーデンの農夫炉
これも湖沼鉄鉱石を原料として、紀元前4C~19C末までルッペを製造していた。

こうしてみると、近代大規模製鉄以前は延々とたたらのような製法で製鉄が行われていたことがわかる。

デリーの鉄柱
クプタ朝4Cごろに造られた高さ7.2mの鉄柱が朽ちないで現存している。
もともと、ヒンズーのもので、夏至には鉄柱の影がなくなる地に建ててあったが
イスラムが侵略により奪略した。製造方法もさることながら、朽ちないでいるということは驚く。






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