満鉄特急あじあ号(市原善積)

満鉄のあじあ号は空気調整装置(いわゆるエアコン)が付いていて、当時の列車にとっては画期的なものだった。どんな機構だったのか、興味を持っていた。この本には、この機構のことが詳しく書かれている。

すでにアメリカでは鉄道の空気調整装置は実用化され、
1 圧縮機でフレオンを圧縮し、空冷式凝結器で冷却液化し、これを蒸発器で膨張気化させて、その時空気を冷やす機械式方法
2 冷凍機の蒸発器内に水を入れ、水面の圧力を下げ、水の蒸発を盛んにして水温を下げる(気圧が下がれば低温で水が沸騰する)、キャリア式
3 氷冷式
があった。
結局、あじあ号は、キャリア式を採用した。

本書の著者、市原は、満鉄の車両設計技師として、客車の構造、空気調整装置の調査のため、アメリカ、ヨーロッパへ出張している。
その旅行記や客車の設計が書いてある。

機関車の設計は吉野信太郎で、機関車王と海外で呼ばれた人物である。
高速走行を行うための軽量化、流線型はあとになり付け加えられたもので、当初、その格好はあまり歓迎されていなかったようだ。吉野自らも、のちに「毒ガスマスクをおおったような、またはスフインクスにも似た」とか「芋虫型の鈍重な感覚の中に」と述べている。



満鉄 特急あじあ号
原書房
市原善積

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