グラントリノ (イーストウッド監督主演)

もし淀川長治に解説させれば、開口「まあ皆さん、この映画の題名、変わってますね~。何でしょうね。」なんて言うだろう。
グラントリノとは1972~1976に生産されたフォードの車種である。

この映画は、最盛期の70年代のアメリカが徐々に衰退し、90年代に至り、家族の崩壊が起こり、中間層が後退し、新たな移民問題を抱え始めたことを、フォードの自動車組立工引退後のコワルスキーに重ねて描き出しているように見える。

コワルスキーは朝鮮戦争で13人を殺し、それがずっと心に引っかかってきた。アメリカ自動車産業がトヨタに代表される日本にとって代わり、息子はトヨタのセールスマンである。

妻を亡くした後、子供たちとも折り合いが悪く、そのうちベトナム戦争で敵側の山岳民族(モン族)の家族まで隣に越してきて、ますます機嫌が悪い。とは言いながら、もとは彼はポーランド系移民であり、少ない友人も、ポーランドやイタリアからの移民である。

子供との折り合いが悪いのも、子供たちは彼を老人施設へほうり込もうとしていて、子供たちは亡くなった妻のわずかな形見や、彼のグラントリノを狙っているのが見えているからである。

そんな彼の心を開かせたのは、隣に住むスーという賢い女性と、率直な正義感のあるその弟タオであった。
結局、コワルスキーはあの朝鮮戦争で犯した過ちのように、戦いで人を殺すよりも、賢い解決方法を自ら選び、彼のグラントリノをタオに譲るのだった。
グラントリノはアメリカの希望や未来の象徴であって、それは新たな移民へ託されたのではないかと思わせる映画だった。



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