旅のつばくろ (沢木耕太郎)



まだ若いころ、
沢木耕太郎の「深夜特急」を読んでこのような旅をしたいと思ったものだ。

あれから何年もたち、いろんな旅をした。
今年は旅に出る機会が少なかった。

そんな年末の休みに読む。


IMG_1724.JPG






旅のエッセイなのだが、読みながら「私も同じようなことがあったよ」とか思わせる。


そう、旅は人との出会いなのだ。
そして、歳を重ねると、旅は過去の振り返りにもなる。



このなかに「最後の一瓶」という一編がある。
これは沢木耕太郎が30年前に書いた「ハチヤさんの旅」という子供向けの本を巡る話だ。


「ハチヤさんの旅」は、
鹿児島から北海道まではちみつを採取する養蜂家と一緒に旅する話だ。

そう、30年前、この本を買った。
今はもうない元町の宝文館で見つけて、筆者の名も見ずに、
あのころ小学生だった子供のためにというより、むしろ私の興味で買ったのだ。

暫くあとで、筆者があの「深夜特急」と同じ作家だとわかった。
このような子供向けの本を書くなんて思ってもいなかったのだ。

ハチヤさんは3歳の子供を連れて日本列島を縦断するのだが、
花を追って旅をするこんな生業の人もいることを初めて知ったものだ。

子供は読んだかどうか怪しいが、
あの本は、今もたぶん家のどこかにあるはずだと思う。




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いくつか、私もそうだと思うフレーズを抜粋しておく


父親が死んだとき、どうしてもっと話を聞いておかなかったのかと後悔した。
だが、生きていくということは、そうした後悔を無数にしながら歩むことなのだろう。
(「ある華族の昭和史」酒井美意子のインタビューを巡って)


やがて有名になる画家がまだ何者かになるかわからないときに、どのような自画像を描いていたのか。
自分が何者になれるのかなれないのかわからないまま悶々としていた日々。
しかし、能天気に過ごしていたあの時代
(磯崎新とハワイでインタビューしたころ)


旅に出ると、予期しないことに出くわし、楽しい思いをしたり、逆にがっかりするような目に遭ったりする。
それを「旅運」というなら、いい人と悪い人がいるかもしれない。
(旅の長者)

老婦人の勧めに従ったおかげでとんでもないご褒美をもらった。
これもまた、偶然というものに柔らかく対応することができた私への、旅の神様からのプレゼントだったのかもしれない。
(もうひとつの絶景)




旅のつばくろ 電子オリジナル版 - 沢木耕太郎
旅のつばくろ 電子オリジナル版 - 沢木耕太郎


ハチヤさんの旅 (たくさんのふしぎ傑作集) - 沢木 耕太郎
ハチヤさんの旅 (たくさんのふしぎ傑作集) - 沢木 耕太郎






この本は装丁もいい。カッサンドラのポスターだもの。

深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】 - 沢木耕太郎
深夜特急1―香港・マカオ―(新潮文庫)【増補新版】 - 沢木耕太郎


深夜特急(1~6)合本版(新潮文庫)【増補新版】 - 沢木耕太郎
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