オタク学入門(岡田斗司夫)

オタクとは何かを知りたければこの本を読むといい。オタクといえば何かマイナス的なイメージが取り巻くが、本来の「ハッカー」という言葉がマイナスイメージで捉えられてしまった誤解と同じように、この本を読めば、本来の「オタク」は決してそうではないことがわかるだろう。



オタクの語源

オタクという言葉を初めて使い始めたのは、慶応大学幼稚舎出身のおぼっちゃまたちというのがオタク業界の通説だ。
彼らは熱烈なSFファンであった。彼らがSF大会で初対面の人と話すときに「お宅」という言葉で呼び合ったことから始まったという。
超時空要塞マクロスの中でも、登場人物に「お宅」と呼び合わせている。
しかし、それが広まるにつれ、そう呼び合う人々を一絡げに「オタク」と呼ぶようになり、オタク自身の中で差別用語になったのだ。
すでに82年夏にはSFファン同士では「オタク」と呼ぶのを止めていた。

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(何といってもSFオタクの金字塔)



オタクは高機能のレファレンス能力を持つ人間だ
ある分野に異常に詳しい人を指して「オタク」と言いがちだ。
しかし、これは正確ではない。

高機能のレファレンス能力は、ジャンルに囚われない。
アニメだけが好きな人間は単なるファンまたはマニアでしかない。
オタクなセンスは一種の価値観・世界観だといえる。

アニメはオタキズムのホームグランドである。
ゲームにも特撮にも洋画にもマンガにもオタク度の高い作品がいっぱいある。
それらをジャンルクロスして見抜き、楽しむのがオタク的見方なのだ。


あくなき向上心と自己顕示欲
才能だけではオタクになれない。天文学的な経済力、時間的、知性的投資を必要とする。努力と精進、そして自己顕示欲がその門を開ける。



正当な日本文化継承者としてのオタク文化
ギリシャ哲学に発しルネッサンスに続く西洋文化(大人文化)をメインカルチャーとすれば、それに対するカウンターカルチャー(大人になりたくない、戦争反対、パンク)が起こる。しかし、抵抗するものがなかった者がサブカルチャー(ドラッグ、ラップなど)を作り出す。
西洋のアートやクリエーターは決して受け手の意見を聞こうとはしない。

茶道、禅、歌舞伎、俳句などに代表される古来日本文化は、職人の技を鑑賞したり、その由来を訪ねたり、織り込まれた物語を楽しむといったもので、そのためには送り手と受け手がそのことわりを知って、意思の疎通がないと成立しない。
オタク文化の成り立ちもそれと同じである。そういった意味でオタク文化は古来日本文化の正当な継承者だ。





オタク学入門 - 岡田 斗司夫
オタク学入門 - 岡田 斗司夫



岡田オタク的 宮崎駿の見方がおもしろい
宮崎駿は裕福な家に生まれ、学習院大学を卒業するが、マンガ家を目指す。連載を赤旗にはじめ(彼の家は戦争中に戦闘機を作る工場を経営していたのがそうさせたか)、手塚治虫に憧れるが、それを乗り越えられないとわかり漫画家を断念する。そこでディズニーに対抗するアニメを作るため東映に入社し、そこで高畑勲に出会い思想的影響(共産主義)を受ける。
まるで、素直に育ったムーミンが、ひねくれ者のスナフキンに人生の裏を教えられたようだ。

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