「白洲正子自伝」を読む

白洲正子は、「目利き」である。 それは「もの」だけでなく人に対しても、芸術、文化というものにまで、目利きが発揮される。 目利きの才能というのは、学んで得られるようなものでなく、天性のものである。 その天性は恐らく、薩摩武士の血を引き、「示現流」の使い手であることが端的に示している。 一瞬にして相手を見抜かないと、自らの生死に関わ…
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103歳になってわかったこと (篠田桃虹)

人生の機知が満載している。103歳で口頭記述であるにしても、まだこのような文章が表現できるのは素晴らしい。 一〇三歳になってわかったこと 人生は一人でも面白い幻冬舎 篠田 桃紅 Amazonアソシエイト by 私が長生きしているのも、自らの人生を枠に収めなかったことが幸いしているのかもしれません。 「…
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「飛燕」を見に行く (川崎重工 飛燕レストアプロジェクト)

ポートターミナルで「飛燕」を展示しているので見に行く。 実は、私の父は陸軍の整備隊に配属され、昭和18年から終戦まで飛燕を整備していた。 そして、復員後、川崎重工に勤めていた。 今年、その父の17回忌があったが、川崎重工が120周年記念行事として、 「飛燕レストアプロジェクト」を行ったというのは、何か因縁を感じざるを…
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日本中世に何が起きたか(網野義彦) を読む

時間つぶしに立ち寄った図書館でふと目に留まって読み始めた。 この本は雑誌や講演の原稿をまとめてあり、メモのようだがそれぞれ面白い示唆を含んでいる。 やはり、中世、とくに後醍醐天皇を前後して、歴史は大きな転換点であったようだ。 つまり、全国的に経済活動が活発になり、市庭(いちば・市場)の出現が、多種多様な職業人の出現をうながし、…
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ハドソン川の奇跡 を見る

前評判どおり、トム・ハンクスの自然な演技がすばらしい。 ストーリーは実際に起こった事件のドキュメントなのだが、映画になっても感動を呼び起こす。 機長サリーが最後に言う 「我々は仕事をしたのだ。」というセリフが、仕事人としての責任感と誇りを感じさせる。 コメントを求められた副機長の「次は7月にやりたい。」という、あのような緊張し…
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君の名は。(新海誠)を見る

新海誠の新作。平日にかかわらずほぼ満席。多くは若いカップル。 なかなかの出来だが、過去の新海作品とは雰囲気が違う。 人物デザイン、音楽、ストーリーの結末はまるで他の作品のようだ。 しかし、空の執拗な描写、鉄道の描写は新海らしさが残る。 隕石落下が物語の進行の中心をなしている。 信州ということで「御池山隕石クレーター」を思い…
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天皇になろうとした将軍(井沢元彦)

最近、南北朝時代、特に建武の中興(最近は新政ともいう)あたりに興味があり手に取った本。結構この時代は、ややこしくて日本史の教科書でもわかりにくかったのを覚えている。しかし、天皇をめぐる内紛でありクーデターであり、日本史の中でもなかなか異様な時代であったことがわかった。この本は、もともと週刊ポストの連載であったので面白く読めた。 …
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奴隷のしつけ方(マルクス・シドニウス・ファルクス)

いかにも古代ローマの実在人物マルクスが書いた本のようだが、実はジェリー・トナーというケンブリッジ大学の古典学研究者が古代ローマの文献を駆使しながら、古代ローマの奴隷について語る。非常に興味深い本。 これを読むと、古代ローマの奴隷は社会を維持していく上で当然のこととして存在しなくてはならないものであったが、一般ローマ人は奴隷の扱いに…
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暗号が通貨になる「ビットコイン」のからくり(吉本佳生・西田宗千佳)

そもそも通貨とは何かを丁寧に解説し、暗号通貨としてのビットコインの技術、これからの世界通貨としての可能性をわかりやすく書いている。インターネット時代の新しい通貨の方向性を考えさせられた。 デジタル作品に対し「おひねり」や「投げ銭」を投げるのに便利なのが、ビットコインのような暗号通貨であり、当初は換金性もなく、単なるデータに過ぎない…
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ちゃぶ台返しのススメ (ジャック・アタリ)

タイトルが面白いですね。もともと、任天堂の開発者が「大きく方向転換する」ことをこう呼んだことにちなんでいる。(英語ではUpturn the tea tableという成句になっている。) 本当の自分になるためにのヒントが多く書かれている。 もはや、国の給付や保護を求めるだけでは何の解決にもならない。 誰かが選んだ人生から抜け出さ…
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稚内港北防波堤ドーム 旧稚内桟橋駅 (礼文島紀行§6)

サハリンがまだ樺太と呼ばれていたころ、 稚内と大泊を結ぶ鉄道連絡船があり、 稚内側の駅のホームがあった場所である。 このドームは、旅客を波浪から守るためのものであり、 土谷實という24歳の土木技術者が設計した。 土谷は北海道帝国大学土木工学科卒業後、稚内築港事務所に勤務し、 その上司である平尾…
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オトンルイ風力発電所(礼文島紀行§5)

サロベツから日本海沿いの道道稚内天塩線を南下し、幌延T字路の少し先に壮大な風車の一群が見えてくる。 曇り空であったので、あまり写りがよくないが、高さ99mの28基の風車が3.1kmにわたり一列に並ぶさまは壮観である。 資金的に気になったので、ネットで調べてみたが、あまり正確な情報は公開されていない。2001年に幌延町、N…
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サロベツ湿原と泥炭(礼文島紀行§4)

サロベツ湿原をうろうろする。35年前に来たときには、何ら施設もなく、国道沿いの宮の台展望台から広大な風景を眺めるだけだったが、今回はサロベツ湿原センターと幌延ビジターセンターという環境庁の施設が2つもできていて、詳しい情報を入手し木道から湿原を観察できるようになっている。 草花も興味を引くが、泥炭を採取していた船が残されていて興味…
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兜沼郷土資料室を訪れる(礼文島紀行§3)

35年ほど前に兜沼へ来たことがある。 再び訪れると、湖畔に美しいキャンプ場ができていて、のんびりするにはうってつけのところだ。 駅近くの街中を歩くと「兜沼郷土資料室」というのがあったので入ってみた。 ここはもともと、兜沼郵便局であった建物を資料館にしている。 展示物は、いわゆる民俗資料で、大正から昭和にかけての生活用…
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日本最北端の温泉に入る (礼文島紀行§2)

1日目の宿は稚内温泉。 向かいに利尻富士が見えるので、稚内富士見温泉とも呼ばれていて、 日本最北端の温泉というのが売りである。 民宿のすぐそばに稚内市営の日帰り入浴施設「童夢」というのがあり、入りに行く。 とても立派な施設で、湯船が5つほどあり露天風呂もある。 露天風呂からは利尻富士が見えるらしい。 …
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ボンバルディアDHC8-Q400に乗って (礼文島紀行§1)

サロベツ・礼文島に花を見に行く。 伊丹から千歳経由で稚内に飛び、サロベツをまわった後、礼文島へ渡る。 おりしも、南からの湿った大気が流入し、北海道は大荒れである。 千歳には着いたが、乗継便が稚内まで無事着いてくれるといいのだが。 なんとか、搭乗開始。 機材はボンバルディア プロペラ機は、いかにも飛行機に乗って…
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河合隼雄の幸福論 を読む

何が幸福かと考えることがこのごろよくある。昔から言い古された話で、意外と幸福は近くにあって、それで分からないだけなのだ。 河合隼雄が「しあわせ眼鏡」というタイトルで新聞に連載したエッセイをまとめた本だが、なかなか名文が多く面白く読めた。また何かの時に読み返したい本の1冊である。偶然にも、最近読んだ本の養老孟司先生が推薦している。 …
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歌川国芳・国貞展に行ってきた

歌川国芳・国貞展に行ってきた。 役者絵・美人画がこれほど一堂にそろうのは珍しい。 7月30日までは展示品の撮影もOKということでうれしい。 国芳は戦記物や怪談物が多く、絵柄も今でも通用しそうな漫画的。 国貞は歌舞伎界のスターを描いたものが多く、今でいうプロマイドの作成者であったのだろう。 全体と…
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かえる かえる かえる!

梅雨というとアマガエルを思い浮かべる。 そんなことで手に取った本。世界のカエルの写真集。 ほとんどが、はじめて知るカエル。 中南米のドクカエル類は、極彩色で美しいというか、いかにも毒があるという感じ。 バゼットカエル類は、こんなのに出くわすと思わず身震いしそうなすごさがある。 こうしてみると、かわいいのはアマガエルくらいだ…
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養老訓(養老孟司)

還暦に読むのにふさわしいエッセイ。さすが養老先生。 老人のあり方として学ぶことは多いです。 日本、とりあえずは国土を守るのが肝心 国家でなく国土 杜甫の「春望」国破れて山河ありのくだりを思いうかべる。 養老訓 (新潮文庫)新潮社 養老 孟司 Amazonアソシエイト by
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さようならは小さい声で(松浦弥太郎)を読む

タイトルに魅かれて読む。いいねえ「さようならは小さい声で」  まだ、僕が二十歳のころの気持ち、そしてそのころ行ったサンフランシスコの風景を思い出すエッセイ。 作者は「暮らしの手帳」の編集長ということもあって、女の人、それも年上のいい感じの女の人のことがよく出てくる。しかし、読み終えると、失礼だがちょっとマザコンではないのと思った…
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シチズンフォー スノーデンの暴露 を見に行く

シチズンフォーが封切されたのでさっそく見に行く。 香港のホテルにスノーデン本人が現れ、暴露を始めるドキュメンタリーなのだが、映画となって見ると、どこまでが本当でどこまでが演出なのかよくわからなくなる。 アメリカのCIAの情報監視は昔から行われていたことで、映画E.T.にも宇宙人をかくまっている家を探す盗聴車が登場していた。今回は…
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21世紀のチェーンストア(渥美俊一)を読む

チェーンストアというと、現在では日本でも、日常品を買うチェーン店であるスーパーだとか、量販電気店、ファーストフード店を思い浮かべるのだが、筆者は日本のそれは、本場のアメリカに比してまったく異なるものだという。 それは、豊かさの受け止め方の違いで、アメリカでは品数は少ないが、日常の商品は使い心地の良い、プライスはモデレイト」に集中し…
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サマーウォーズの中のブラック・スワン

サマーウォーズという2009年封切のアニメがHDDの中に残っていたので再度見る。 なかなかよくできたアニメで、OZという日常生活にかかわるインターネット仮想空間が、ラブマシーンというAIにより乗っ取られ大変なことになるというあらすじなのだが、ちょうど先日読んだ、ブラック・スワンがこの悪者AIに当たるのだと思い、メモしておくことにした。…
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レヴェナント 蘇りしもの (アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)を観る

本日までの上映だったのでレイトショーを見に行く。 近年の映画にはあまりない、大変な環境の中のロケであることは確かだが、 殺戮のシーンも多く、見る人によって評価が分かれる映画のような気がする。 とにかくワイルドな映画だ。 復讐ものとして見るものもあるだろうが、 一方で、生きていくことの困難さ、生きていくこととしての食といった…
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