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黒鍬さんがいく (広瀬伸) 風媒社

「黒鍬」とは日本史においての土木集団の呼び名であるが、その実態はつかみ所のないものである。 本書は黒鍬を4つの系譜にして、多くの過去の文献から説明してあり、読み物として面白かった。 「黒鍬の4つの系譜」 1 戦国期に築城や鉱山技術をもって領主に使えたもの 2 石工 穴太衆 3 農閑期作業として 旅としての土木集団 4 農…
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やきもの文化史 (三杉 隆敏)

陶芸をやり始めてもう足かけ7年はたつ。やきものはいくらやっても奥が深い。それだけの歴史があるからだ。 やきものが世界に伝播する過程を著者は現地に足を運び解き明かしている。この本は多くのことを教えてくれた。 轆轤 蹴轆轤 右足で蹴るので轆轤は左回り、中国・朝鮮系、九州、丹波にあるが大陸系の証し 手轆轤 手で手前に引っ張るので轆…
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太平洋諸島の歴史を知るための60章 明石書店版

ミクロネシア、メラネシア、ポリネシアといえば、あまり知らない太平洋の島々だ。 これらの島々は日本の南方にあり、温暖な気候の下、素朴な生活を営む。そういったイメージだけでこの本を手に取ったが、これら南洋の島々は多彩な文化と歴史を持った地域であるとわかった。 日本との関係も深いものがある。特に古代、植民地以前の状況は興味を引く。 …
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アニメの仕事は面白すぎる(奥田誠治)

アニメは大好きだが、アニメがどうしてできるかそんなに知らなかった。 奥田誠治という名も初めて聞く名である。絵コンテという部門を手掛けた人だ。 「絵コンテ」とよばれる台本のようなものがまず作られ、作品ができていく。 彼は、鉄人28号、鉄腕アトム、宇宙エースから始まり、悟空の大冒険、マッハGoGoGoなどなど800本以上の絵コンテを書…
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秘境旅行 (芳賀日出男)

読んで、てっきり民俗学者の本だとおもっていたが、芳賀日出男は、実は写真家で民俗研究家ということらしい。 あとがきによると、子供の運動会に土門拳と一緒に写真を写すし、銀座で木村伊兵衛と林忠彦と一緒に呑んで家に帰ってくるとある。 しかし、裏表紙には、折口信夫と宮本常一を師に持つとある。 確かに、挿入されている写真は、昭和30年代の市場…
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地質学者ナウマン伝 (矢島道子)

糸魚川のフォッサマグナミユージアムに行ってから、ナウマンに興味があって、惹かれて読み始めた。 ナウマンはお雇い外国人として明治8年から10年間の日本滞在中に、交通の発達していない日本の国土を精力的に移動し、今でも十分通用する「日本全土地質図」を作り、地質調査所を創設した。しかし、このような功績にもかかわらず、日本を去る時のナウマンは不…
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生きづらさについて考える(内田樹)

日本社会の合理的な意思決定プロセス その1 だらだらしているうちに落ち着くところに落ち着く その2 合意形成を待たず、誰かに全権を一任して、失敗した場合は責任を取らせる 人口減少社会 この場でまだ経済成長や選択と集中とか言っている 明治時代のように5000万人ほどが列島各地に分布し穏やかな風景を取り戻すのか、都市圏に集中し…
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珈琲の表現 (蕪木祐介)

街の珈琲屋さんの書いた本。コーヒーの入れ方からエッセイまで、珈琲のことがよくわかる。 神戸には個人の珈琲屋さんがあちこちあって、学生時代は目的もなしに入って時間をつぶしたり、 彼女との待ち合わせ場所にして長い時間おしゃべりしたものだ。 そんな珈琲屋さんがどんどんなくなっていくのはさみしい。 筆者が珈琲屋を始めたいきさつや…
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無私の精神(小林秀雄)

小林秀雄は、考えるヒントを読んだことがある。簡単なことをたいそうに書くのだなあという印象だった。 「無私の精神」には、ある実業家の話が出てくるが、これは実例が示されて理解しやすい。 この実業家は、誰かが主張する意見には決して反対せず、みんな聞き終わると「御尤も」と言い、 自分のことになると、けっして弁解をせず「ご覧の通り」と言…
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迷宮都市モロッコを歩く(今村文明)

混沌として見えるメディナも、中世、もともとあった生活基盤の上に イスラム法を適応して、秩序ある都市づくりをしたもの。 中世以降、廃墟化することなく今日まで続いたメディナに、 現代の都市計画の下で生活しているものが迷ってしまうのは当然だ。 現在の日本の街は、車中心の都市計画であり、 一方、メディナは人間中心の都市なのだ。 …
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モロッコとイブン・バットゥータ

モロッコという国には一度行きたいと思っていた。 かなり前、迷宮都市として有名なマラケシュやフェズを知ってからのことだ。 今回、その国に行こうとしていて、いろいろ調べていると、イブン・バットゥータという名前が出てきた。 世界史の教科書に、「大旅行記」の著者(実際は口述)であると書いてあった記憶がよみがえる。 30年かけて、モロ…
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日本の島 産業・戦争遺産(斎藤潤)

今の日本では、島、それも小さな島は取り残された場所のようになってしまっている。 しかし、この本を見ると、明治以降の近代化の過程において、数々の産業が島に興り、かなりの施設が建設され、人口も多かったことがわかる。 また、日本という海に面した国ゆえに、戦争、国防のためにもかなりの規模の施設が作られたことがわかる。 整理すると 産…
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つくられたエミシ(松本建速)

古代東北地方にエミシという民族がいたかどうか。 アイヌでもなく、夷でもなく、エミシ どうも、東北地方で馬に関連する人々をそう呼んだ。 馬飼いは、クロボクと呼ばれる土壌の地域で発達していた。 クロボクと中近世の牧場の分布は似通っている。 土坑墓という形式は東北地方にあり、半地下式土坑墓は関東(茨木、栃木、群馬、千葉)…
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いま君に伝えたいお金の話(村上世彰)

村上ファンドは知っていても村上世彰のことはあまり知らなかった。 お金に対してこういう考えの人なんだということが分かった。 お金と仕事と幸福の関係は、なかなかわかりやすく書いてある。 誰かが、君の仕事の価値を見出してはじめてお金を稼ぐことができる。 どんなに好きで得意なことであっても、誰かがそれに対してお金を払いたいと思わなけ…
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フォッサマグナ(藤岡換太郎)

フォッサマグナについては、糸魚川のフォッサマグナミュージアムに行ってから、これは大変なものだと思っていた。あらためてこの本を読んで、フォッサマグナは、日本列島の島弧の形状を作ったのだと再認識したのである。 いろんな説があるようだが、日本がユーラシアから割れて離れたときの割れ目の一つが、フォッサマグナで、ちょうど 日本列島がこのあ…
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宝くじで1億円当たった人の末路(鈴木信行)

末路という言葉は、なれの果てという意味でもあるのであまりよろしくない状況である。 まあ、普通人が宝くじで1億円当たってしまえば、なんとなくよろしくない状況になるのはわからないでもない。 1億円以外のいろんな人の末路が語られ、正月休みに面白く読めた。 電車で中ほどまで進まない人の末路というのがある。 最近このような人が…
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あなたはなぜカリカリベーコンのにおいに魅かれるのか(レイチェル・ハーツ)

食べ物を味わうということは、けっして味覚だけでなく、視覚、嗅覚、感覚、知識など総動員して作られているということが、いろんな事例や実験をもとに解説されていて、おもしろい。 (ワインの実験) 同じワインなのだが、もともと白ワインだったものを、赤に着色したものを2つ並べて、ワイン専門家と称する人々に飲ませたところ、白ワインは、「はちみ…
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政府は必ず嘘をつく(堤未果)

洪水の情報の中で消化不良を起こし、いつの間にか思考停止をさせられてしまう。 試されるのは知識よりその取捨選択だ。 ニュースと真実の違い、国と国家を混同しないこと。 加速する強欲資本主義の中、真実をつかもうと手を伸ばし、 頼れるものは、迷った時に本質へ戻る想像力と他者への優しさだろう。 迷った時でもほんの数歩後ろに下がっ…
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90秒にかけた男(高田明)

ジャパネットたかたの創業者の会社を作り引退するまでの話。 彼は世阿弥の「風姿花伝」に影響を受けたと語る。 確かに、モノを伝えるという極意は、能という芸を伝える手法に共通する。 「時分の花」若さゆえの鮮やかで魅力的な花 「まことの花」日々の鍛練と精進によって咲く花 「我見」 自分がどう見るか 「離見」 他者の目線を意識…
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あの会社はこうして潰れた(帝国データバンク情報部)

会社がつぶれる原因は何なのか。信用調査会社の作者だけあって、よくわかる。 我々、消費者も会社がつぶれて被害をこうむることもある。(「てるみクラブ」や「はれのひ」) それには、つぶれる前兆のようなものもあり、やはり通常より安いとか他よりはでに広告を打っているとかは、何か無理をしているということだ。 時代の変化についていけ…
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独裁国家に行ってきた(MASAKI)

独裁国家といえば北朝鮮を思い浮かべるが、他にも世界には多くの独裁国家があるらしい。ある意味シンガポールもネパールも独裁国家らしい。まあこの際、独裁国家の定義は抜きにして、民主主義からかけ離れたとんでもない国があり、そんな国に筆者がわざわざ?行くというのが旅行記として面白い。(本人は大変な目に遭うのだが) とんでもない独裁国家ベスト…
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ヘンテコノミクス(佐藤雅彦・菅俊一・高橋秀明)

今はやり?の行動経済学のマンガ本。難しい理論でなくて、漫画で読めて面白い。 プロスペクト理論 価値関数と確率荷重関数から構成される。 価値関数 心理的価値を縦軸に金額を横軸に取る。同じ量の損得を比較した場合、損のほうを2倍に感じてしまう。 確率荷重関数 発生する確率によってリスクを回避するか積極的に追及するか。確率の…
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南北朝動乱(水野大樹)

南北朝時代というのは、日本史の教科書でもせいぜい数ページで、鎌倉から室町への移行期のようなあつかいだが、日本史の中ではとても重要な時代でないかと思う。整理したくて、いろいろ本を読んでみるが、なかなかややこしく、いつも頓挫していた。たまたま手に取ったこの本は、手身近に整理されていてよくわかった。 南朝 大覚寺統(後醍醐天皇)と …
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猪・鹿・狸(早川孝太郎)

早川孝太郎は、画家をめざしていたが、松岡映丘と親交があり、その兄柳田國男と出会い民俗学者となった。 この本は、三河地方横山の動物伝承を集めて、大正15年に刊行された。 この地は山と里の交流が盛んな土地柄であったため多くの話が集積した。 彼の遠野物語がそうであるように、現実と空想が混然一体となって、猟師が語る話を記録し、独自の世…
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ジョージ・ソロス不滅の警句(青柳孝直)

ソロスの言葉を右ページに、それから筆者がインスピレーションした経済の状況を左ページに書いている。 難解なソロスの警句が、現実世界で起こっている経済状況に対する筆者の警句としてうまく対比されている。 営利企業となった大学 利権ありきの日本型政治のモデルとしての成田空港 選挙に勝つためのご都合主義のマニフェスト 総花的 市…
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ヒガンバナ探訪録(有薗正一郎)

ヒガンバナの起源は、長江下流流域であり稲作とともに縄文時代にもたらされたというもの。 ヒガンバナの分布は、朝鮮半島にはなく、長崎県、佐賀北部にはあることから、黄海横断ルートでもたらされた。 たしかに、ヒガンバナは人里、それも水田の畦畔に多くみられるから、稲作と関係する植物であることは間違いない。 地下茎にでんぷんを含むことから…
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九十歳まで働く!(郡山史郎)

ソニーの元社長の現在の仕事ぶりというか、書きたい放題のような本で面白い。ヒントがたくさんある。 大会社は徹底分業、ルールとシステムで動き、8割の仕事は無駄。小さな会社は徹底兼業、ルールもシステムもなく、社員はやるべき仕事の2割くらいしかできないから絶対必要なことしかやらない。 大きなお金が動くと、お金の魔力が人に乗り移る。金…
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病とむきあう江戸時代(岩下哲典)

江戸時代末期の藩医がどうしていたかを記録から明らかにした珍しい本。 藩医を今風に言えば、産業医なんだけど、同じような病人?の面倒を看ていたということには変わりない。 「うつ」の藩士もいたようで、記録に残っていて「気分不快引籠」という症状で、よく欠勤する藩士であったようだ。 かといって、やめるわけでなく、無難な仕事を与えられて何…
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古地図で見る神戸(大国正美)

古い地図と現在を比べるのは、あたかも時間旅行するようで面白い。 神戸の古地図(おもに江戸の彩色図)を解説している。 比較的現地になじみのある地域は興味ある事項が多い。 ため池の変遷についてメモしておく 西神戸は平地があるものの、水利に乏しく多くのため池が作られている。 尻池村 小平六池(苅藻池) 池中に塚があり一ノ谷…
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実践行動経済学(リチャード・セイラー キャス・サスティーン)

ノーベル経済学賞のセイラー博士のナッジ理論  nudge 「人の注意を引くためひじで軽くつつくこと」 とある。 社会で大衆の行動を起こさせるきっかけとなるナッジ。なかなか面白い。 いろんな例が載っている。 「テキサスを汚すと怒るぜ!」は、官僚が規範的なキャンペーンを打つより、アメフトチームや人気歌手を起用した「テキサスを汚す…
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