瀬戸内文化史 (宮本常一)

このたび神戸から下関まで、在来線を普通列車で旅行した折に、長い車中で読んでいた本である。瀬戸内の文化はまさしく海の文化である。 それは漁業、製塩、海賊、海運などに従事した人々の文化である。 本書は雑誌、新聞に掲載されたものの収録になっており、体系だっていなくて重複するような内容もあるが、瀬戸内海の文化の成り立ちを、考えさせてくれ…
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武士の起源 平氏と源氏略系図 平家興亡

平安時代の上級貴族は政治をかえりみず、煩わしい政務は下級貴族に任せ、地方の運営も現地の有力者を代理人(目代)としていた。しかし、必要以上に徴税をするものがあったりしたので、代理人に対する自衛集団が武士団となった。 開発領主が力を蓄え武力集団を結成。 紛争や警備を担う職業集団。 国司や受領が独自の軍隊を結成。 地方へ下った…
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無敗の男 (常井健一)

1993年に発覚したゼネコン絡みの政財癒着の汚職事件で実刑判決を受けた、元建設大臣、中村喜四郎本人へのルポによる記録本。 ときの政局や政界派閥の中で、その真相は何だったのかを考えさせられる。 中村は4か月以上にわたる検察の尋問に対し黙秘をとおし、 精神科医の兄は、限界状況における瞑想法を、心の中で1から100まで数え、半眼にせ…
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武器としての「資本論」 (白井聡)

「資本論」を読んだことのないものに、「新自由主義(ネオリベラリズム)」の時代における「資本論」をわかりやすく解説してくれる。 日本における新自由主義 終身雇用、企業共同体が崩壊し、「選択と集中」の名のもとに「小さな政府」「民営化」「規制緩和」「競争原理」「アウトソーシング」により余剰価値の追求が行われてきた。「一億総中流」と呼ば…
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太平記の時代(倉山満)

南北朝時代のことを本音?で書いてあるというか、教科書的な歴史書には出てこないことを書いてある。 南北朝時代というのは、教科書的には、鎌倉幕府が滅んで、後醍醐天皇が出てきて南朝と北朝が対立して、建武の新政があったと思えば、足利尊氏が室町幕府を開いてしまった。となるのだろうが、よくよく見てみると、日本史の中でもっともわかりにくく、何が正な…
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旅する巨人 宮本常一と渋沢敬三 (佐野眞一)

書題の「旅する巨人」とは宮本常一のことであるが、同時にそのパトロンでもあった渋沢敬三のことを言っているのではないかと思う。渋沢なくしては宮本はいなかったであろうし、また、立場上、旅にその人生を見出すことがままならなった渋沢にとって、自らの旅の足と目となる宮本はなくてはならない存在であった。 本書は、宮本と渋沢の一生を軸にしながら、…
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「かわいい」の世界 THE POWER OF CUTE (サイモン・メイ)

2010年にベルサイユ宮殿を訪れたとき、偶然にも「村上隆」の作品展が開催されていた。純粋にベルサイユ宮殿を見るためにやってきたのに、これには少しがっかりしたものだが、これらの「キュート」はあのベルサイユの豪華な部屋でもたじろぐこともなく、誇らしげに存在していたことを思い出す。 「鏡の間」においても「キュート」はなんら違…
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よみがえる古代の港 石村智

日本古代の港は、潟湖地形、いわゆるラグーンに作られた。そして、その標識となるものとして、背後の山や時には古墳をその標識とした。 古代の湊を、地図と地名、古墳からその姿を再現する。 丹後半島の竹野、網野、府中、久美浜の古代湊 竹野明神山古墳=(同時期)=網野銚子山古墳=(規模形状類似)=奈良佐紀陵山古墳=(規格類似)=垂水五色山…
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神戸・阪神間の古代史 坂江渉ほか

市街化によって埋もれてしまった、神戸、阪神間の古代史の記憶。特に古代の港の所在地が興味深い。 瀬戸内海を航行する船がヤマトへの上陸地点である、難波 住吉神社に至るまでに経由した港が、阪神間にはあった。 大阪湾は右回りの海流により、阪神間の海岸線には砂州(ラグーン)が発達し、古代の港には最適な土地であった。 播磨風土…
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黒鍬さんがいく (広瀬伸) 風媒社

「黒鍬」とは日本史においての土木集団の呼び名であるが、その実態はつかみ所のないものである。 本書は黒鍬を4つの系譜にして、多くの過去の文献から説明してあり、読み物として面白かった。 「黒鍬の4つの系譜」 1 戦国期に築城や鉱山技術をもって領主に使えたもの 2 石工 穴太衆 3 農閑期作業として 旅としての土木集団 4 農…
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やきもの文化史 (三杉 隆敏)

陶芸をやり始めてもう足かけ7年はたつ。やきものはいくらやっても奥が深い。それだけの歴史があるからだ。 やきものが世界に伝播する過程を著者は現地に足を運び解き明かしている。この本は多くのことを教えてくれた。 轆轤 蹴轆轤 右足で蹴るので轆轤は左回り、中国・朝鮮系、九州、丹波にあるが大陸系の証し 手轆轤 手で手前に引っ張るので轆…
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太平洋諸島の歴史を知るための60章 明石書店版

ミクロネシア、メラネシア、ポリネシアといえば、あまり知らない太平洋の島々だ。 これらの島々は日本の南方にあり、温暖な気候の下、素朴な生活を営む。そういったイメージだけでこの本を手に取ったが、これら南洋の島々は多彩な文化と歴史を持った地域であるとわかった。 日本との関係も深いものがある。特に古代、植民地以前の状況は興味を引く。 …
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日本への警告 ジム・ロジャーズ

2019年9月時点のジム・ロジャーズの日本と世界の見方であるがなかなか参考になる。 日本が抱える問題。少子高齢化、多額の財政赤字、長期債務残高。制度破綻が起きると気が付いているのに、具体的にどうしたらいいのかわからない。 破綻はゆっくり訪れるものだ。多額の借金を抱えながら走るのは相当難しい。 日本政府は好きなだけ日本人に国…
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「丹波天女羽衣伝説地」の謎を解く

コロナ禍で旅行がままならないので、Google mapで時間旅行する。テーマは「丹波天女羽衣伝説」である。 全国各地にある天女羽衣伝説は、天女が地上界に降りて、泉で羽衣を脱いで水遊びをしていたところ、その土地のものが、天女の羽衣を隠してしまい、天上に帰れなくなった天女をしばらく地上界に滞在させる。というもので様々な類型がある。 …
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さらばマグリブの国 モロッコ

いよいよモロッコともお別れだ。 イスラム圏の西方、マグリブ(日没)の国。 予想どおりの魅力ある国だった。 巨大なモスクと繊細な幾何学模様、造山運動でできたアトラスの多様な自然、サハラ砂漠の日の出、過酷な自然とその中のオアシス、迷宮都市フェズ、マラケシュ。僕はまたいつかこれらのことを思い出すだろう。 キ…
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マラケシュのスークの様々な商品

いざ、マラケシュの迷宮へ。 強い日差しをさえぎるため、すのこ状の日よけのアーケードになっている。 日差しが直線的に差し込むスパイス店  いかにもアラビアの市場的な感じがする。 甘そうなお菓子 お菓子を無造作に山積みにしてあるようだが、配色をきれいに盛上げているところがすばらしい。 …
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マラケシュ いかにもアラビアの市場

そもそもモロッコに行くことになったのは、マラケシュにあこがれたからだ。 迷宮都市、巨大な市場、いかにもアラビアの世界といったイメージが私の中に長い間あった。 来てみるとそのとおりの風景が目の前にある。 よく見ると、先に行った迷宮都市フェズより観光化された感じがする。 それは、蛇使いの大道芸人であったり …
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モロッコのワイン メクネスワイン

モロッコはイスラム圏なので、お酒はご法度とおもいきや、レストランや大きな都市のスーパーにはビールやワインがある。 国産ビールもあるし、ワイナリーもある。 メインが魚のムニエルということで、白ワインを注文してみた。 やっぱりフランスの影響をうけていることもあり、ワインもそれなりにいけるではないか。 「ゲロワンヌ・ブラン…
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世界遺産 アイット・ベン・ハドゥ 要塞都市その構造

アイット・ベン・ハドゥはアシーフ・メッラーフ渓谷にある要塞化された集落(クサル)である。 ティグレムトと呼ばれる要塞化された居住兼穀物倉が幾層にも山の斜面に連なって、その頂上に砦がある。 ティグレムトは四方を窓のない壁で囲み、上部に銃眼のある塔を備えている。 上から見るといくつかのティグレムトが…
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ワルザザートでアラビアのロレンスを想う。

ワルザザートはカスバ街道で一番大きな町だ。 1920年代フランス軍のサハラ前進基地としての歴史があるだけに、ヨーロッパとサハラとの接点としての雰囲気が感じられる。 夕食後、ホテルの大きなテラスから街を眺めると、映画「アラビアのロレンス」が思い出される。そんな街である。 しかし、アラビアのロレンスの本当の舞台は、サウジア…
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アニメの仕事は面白すぎる(奥田誠治)

アニメは大好きだが、アニメがどうしてできるかそんなに知らなかった。 奥田誠治という名も初めて聞く名である。絵コンテという部門を手掛けた人だ。 「絵コンテ」とよばれる台本のようなものがまず作られ、作品ができていく。 彼は、鉄人28号、鉄腕アトム、宇宙エースから始まり、悟空の大冒険、マッハGoGoGoなどなど800本以上の絵コンテを書…
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仁徳天皇の土木事業

土木事業 上町台地を掘削(堀江)し草香江(河内湖)の排水を行い「茨田(まむた)の堤」を築造し、淀川の氾濫を防ぐ。 堀江は現在の大川ではないか。 茨田の堤は大阪門真市にわずか残存、草香江は大阪門真市の弁天池が名残ではないかと言われる。 仁徳天皇 在位 313~399 皇居 難波高津宮 先代は応神天皇で3人の子がい…
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満州国のラジオ放送 (代珂)

断続的に満州国のことが、永いこと気になっている。 それは傀儡国家がどのように成立し存在したのかということだ。 そういった意味でこの本を読むことになる。 満州国にあったラジオ放送局について中国に残された資料をもとに述べている。 ただ筆者は研究者であり、その博士論文がベースになった本であるのでいささか読みにくい。 が、ラジオ放…
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秘境旅行 (芳賀日出男)

読んで、てっきり民俗学者の本だとおもっていたが、芳賀日出男は、実は写真家で民俗研究家ということらしい。 あとがきによると、子供の運動会に土門拳と一緒に写真を写すし、銀座で木村伊兵衛と林忠彦と一緒に呑んで家に帰ってくるとある。 しかし、裏表紙には、折口信夫と宮本常一を師に持つとある。 確かに、挿入されている写真は、昭和30年代の市場…
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モロッコのカナートを見る

荒涼たる砂漠のハイウェイを走っていると、延々とモグラの通ったような土の盛り上がりが気になっていた。 ガイドによると、カナートだという。 観光用に中に入れるところがあるというので早速立ち寄ることにする。 土壁の小屋の小さな土産物屋があり、そこでチップを払って地下に潜らせてくれる。 木製の巻き上げ機があり、た…
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