アリーテ姫

1年ほど前に、このアニメ映画を見て、「いいな」と思っていた。
ずっと、その考えを整理したいと思っていたが、
今回の出雲への旅でヒントを得たので、ブログに記録することにする。

「アリーテ姫」は、多くの物語の姫と違い、
決して美しくもなく、何のとりえもない。
しかし、この映画を見終わった者に、その存在感を残す。
ひょっとすると「アリーテ姫」は私自身のことではないか。
多くの現代人はそう感じるかもしれない。

公式サイトや多くのファンが言うように、
このアニメのテーマのひとつは「自分探し」
これは疑う余地もない。

そうして、アリーテ姫は旅に出るのだが、
本当に、これは「自分探し」の旅なのだろうか。
「滅び去った魔法使いたちが作った宝」を探すこと。
これが、アリーテ姫の本当の目的ではなかったか。

その伏線としてあるのが、
冒頭シーンでアリーテ姫が城を抜け出して見る職人たちの技。
彼女はつぶやく
「まるで魔法を見るかのよう。人の手にはこれ程の可能性がある。
だったら、わたしの手にだって出来る何かが……。」
「魔法」とは「科学」のこと、「魔法使い」は「普通の人間」だ。

しかし、旅に出たアリーテ姫は、悪魔法使いの「ボックス」に幽閉され、
旅を中断させられ、魂までも奪われる。
アリーテ姫を助けるものは、誰もいない。

アリーテ姫は
「科学の本来の意味を忘れた、我々現代人」の姿そのものではないか。
滅び去った魔法使いとは「数々のものを生み出した過去の人々」のこと。
そういった意味で、我々現代人にとっての、自分探しの旅なのか。

物語のあとの展開はネタばれするので、書かないでおくが、
この物語で救われるのは、ラストでアリーテ姫が
「滅び去った魔法使いたちが作った宝」を目にし
その旅の過程で、自らが新たな宝を勝ち得たことだ。



公式サイト
http://www.arete.jp/arete/index.html


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この記事へのコメント

beret-east
2006年11月07日 07:14
この姫の物語は読んだことがないからなんとも言いがたいのですが、これだけ大量の情報が氾濫して、ある程度まで検索できるようになっているとはいえ、いっこうにぼくたちがおりこうさんになっていないという事実が不思議。このことは、必修の世界史を履修せずに高校生たちはいったい何を勉強していたのだろう?(少なくとも世界史よりも学ぶべき価値の低いもの)という問いと一緒。現在氾濫する単なる「情報」の量と質よりも、アレクサンドリア図書館にあった「知識」やアカデメイアで研究されていた「知恵」のほうが比較にならない価値をもっていたのだと確信する。いったい、ぼくたちは何をまっさきに学ぶべきなのだろう。大量の情報や知識はどっかに整理して、知恵のレベルで生きることが必要なのに。
くま
2006年11月07日 23:07
「知識」より「知恵」というのは生きる上で大切なことだと思う。また、映画で例えてしまうが「007」シリーズのジェームスボンドがピンチに陥ったとき、彼の「知識」が「知恵」に変わり、危機を脱出するのが見るものにとって面白い。このようなストーリー展開はイギリス系の映画に多いような気がする。子供向けの「サンダーバード」はまさしくその典型。日本と違いイギリスの教育はそのような視点を持っているのだろうか。

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