日本橋バビロン (小林信彦) を読む

栄えた街の没落。
栄えた家の没落。
いつかやってくるのが
世の常である。
震災、戦争といった、
人の手ではどうすることもできない外的要因が、
決定的に個人なり街を変えていく。

日本有数の盛場であった日本橋と
そこにあった老舗和菓子屋の盛衰記。

この老舗和菓子屋に生れ
子供のころから
戦前の芝居や映画といった文化に
親しんだ作者が
物憂い語りでクロニクルを紡ぐ。

東京日本橋は一度も行ったことはないが
この本を読むと昔の日本橋に居たような気になる。

それはきっと
古くは神戸大空襲や
阪神大震災によって寂れていった
我が神戸の街角に重なるものがあるからかもしれない。

また、いつかは書き留めたいと思っている
亡き父が断片的に語った
明治維新から第二次大戦までの
我が家のクロニクルにも
似通うところがあるからかもしれない。



はじめはあまり面白くないが
没落の兆候が現れるあたりから
雰囲気がでてくる。
最後の
発掘された機械にこびりついた餡子の話は
どうも作り話くさいが物語の締めくくりとして良い。



作者の実弟小林泰彦がイラスト・挿画をしている。






日本橋バビロン

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