離島の旅(宮本常一)を読む

有吉佐和子の「日本の島々、昔と今」と並行して読む。
昭和39年刊行の古い本である。
内容は、今となっては、離島の過去の記録でしかない。
しかし、この本の意味は、
あとがきに宮本常一が記している。


観光客がいったいどれほど観光地に住む人たちの
邪魔をしないで寄与しているであろうか。
その生活を破壊する側にまわってはいても、
その生活を助ける側にまわっているものは少ない。

観光地が資本化の手によって
植民地化しているためである。

地方をおとずれる人の中に、ほんとうに地方の生活を見、
そこに住む人々の生活に深い関心を持ち、
地方文化開発の協力者になってくださる人も
少なくないであろう。
そういう人たちによびかけるような書物は、
書いておかねばならない。



たしかに、興味本位の旅を趣味とするものとして、耳が痛い。



「離島振興法」という法律があって、
離島振興のために、各種の補助金政策が展開された。
この法律立案に大きく関与したのが「宮本常一」だったことを思い出す。








宮本常一が、愛用のオリンパス・ペンで写した各地の写真が多く掲載されている。
決してアングルを考えた風景写真でない、メモをとるような写真だ。

そんな写真の1枚の平戸のオランダ屋敷跡は、
2年前に当地をおとずれたときも、
彼が写したのと同じく、そのままの寂れた姿であった。

画像

平戸 2009.11





宮本常一の出身地である
周防大島の「張六左衛門」の伝説は読み物として興味深い。

劉邦の軍師であった「張良」の子孫で、
明末に「張忠」というものが渡来し、
山内氏につかえたが、その後、毛利氏につかえ、
その子、「思朝」が「張六左衛門」と日本風に名乗った。
しかし、君主により切腹をさせられている。

君主の好色の嫉妬による濡れ衣という
正月休みに読んだ「利休にたづねよ」と同じような、
やるせない話である。




















旅する巨人宮本常一―にっぽんの記憶
みずのわ出版
読売新聞西部本社


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