資本主義の終焉と歴史の危機 (水野和夫) を読む

資本主義とは「蒐集」すること
蒐集とは「周辺」から「中心」へ富を集めること
周辺とはフロンティアのこと


16世紀イタリアに発する資本主義が
終焉が近づいていることがよく理解できた。

経済本としてはなかなか面白い



資本主義の終焉と歴史の危機 (集英社新書)
集英社
2014-03-14
水野 和夫

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以下、メモ
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資本主義 フロンティアの拡大によって発展
地理的・物的空間の拡大消滅による電子・金融空間の拡大
電子空間の中で資本が増殖することで、バブルの生成と崩壊 その結果、過剰債務と賃金の低下
過酷な格差社会をもたらす。



資本主義の最終地点としての価格革命

16世紀に起きた価格革命
価格革命が起きる商品とは、
空間が統合される前に供給していたモノであり
16世紀 ローマに供給していた穀物

ヨーロッパ経済圏の統合と人口の増加
1545ボリビアの銀山発見 大量の銀のヨーロッパ流入
荘園制・封建制から資本主義・主権国家への移行
「海賊資本主義」「出版資本主義」として結実した。

時間の所有すなわち利潤の追求は
16~17Cにイギリスが海という空間を独占し
途上国の資源をただ同然で手に入れ実物投資空間を拡大させた



地中海世界が周辺出身のコペルニクスの考えを取り入れた、
ジョルダックブルーノは中心イタリア出身であった。(火あぶりの刑になるのだが)、

地動説により
近代人の前に突如無限の空間が現れた。
このときから無限だからこそ過剰を過剰と思わなくなってしまった



時間と知に対する所有欲はヨーロッパの本質的な理念による蒐集によって駆動されている
エルスナー、カーディナル「蒐集」
社会秩序それ自体が蒐集である
蒐集のための最適システムとしての資本主義
資本主義の本質は富やマネーを周辺から蒐集し中心に集中させること
グローバル資本主義とは国家の内側にある均一性を消滅させ、国家の内側に周辺・中心を生み出す
世界人口のうち豊かになれる定員は15%程度
現代の先進国にはもう周辺はないので、国内に無理やり周辺を作り出そうとしている。

あらかじめ富める人は15%しかないのだが、
暴走する資本主義にブレーキをかけた知識人たちがいた。
(アダムスミス「道徳感情論」マルクス「資本論」ケインズなど)
しかし、ミルトンフリードマン、ハイエクがあらゆるブレーキを外してしまった。


資本主義が地球を覆い尽くす時には、
どの場所においても投資に対してリターンが見込めない(0金利、0成長、0デフレ)



21世紀 原油などの資源価格

16c 陸の国スペインから海の国イギリスに覇権が移った 空間革命
投資先がスペイン、イタリアからオランダ、イギリスへ移行

グローバリゼーションとは「中心」と「周辺」の組み替えに過ぎない(マイケルドイル、ウオーラーステイン)
先進国の過剰マネーと新興国の過剰投資
過剰の是正のために信用収縮と失業を生む


12C フィレンツエ 資本主義の萌芽
メディティ家 為替レートを利用して利子を取る
利子を取るという行為は神の所有物である時間を奪い取るという行為
1215 ラテラノ公会議 利子の容認 上限33% 市場金利10%に対し強欲
不確実なものに貸し付ける時も利子を付けていい
禁欲と強欲は表裏一体
12C ボローニャ大学の公認 知が神のものから人間に移った



民主主義は価値観を同じくする中間層の存在により実現
資本主義は周辺の存在が不可欠
新たな周辺 サブプライム層、非正規社員、キプロス、ギリシャ

需要供給曲線の交点が価格である
資本主義は外部に資源国という周辺が存在してこそ成り立つ

民主主義も過剰を作り出すシステム
現在の一部を将来は万人の上に拡大するという夢の上に科学技術と民主主義は共存している (佐藤文隆 科学と人間)

新しい空間が、電子・金融空間であるならばこの空間に参入できるにはある程度の所得が必要
電子・金融空間で収奪するという現在の経済活動は未来からの収奪になっている
公共事業投資も財政赤字を増大させるに過ぎない
時価会計 将来を見込んだ会計 常に前進しかない

強欲資本主義が行きつく先は、経済危機、国家の危機、民主主義の危機、地球持続性の危機



ヨーロッパの蒐集の理念の終焉
蒐集の限界
帝国化は蒐集の終着地点
9.11 リーマンショック 3.11原発事故は過剰な蒐集がもたらした問題群

ノアの方舟のノアがコレクター第1号 エルスナー
キリスト教は霊魂を、帝国は領土を、
すなわち農産物を、資本主義は市場を通じて物質、最終的には利潤を蒐集する。




中国の生産過剰 設備投資過剰 内需では吸収できない
 バブルの崩壊 アメリカ国債の大量売却 ドルの終焉
新興国バブルは過剰投資バブル
企業の倒産、賃金の低下
国家債務の増大
戦争とインフレにより周辺を作り出し帳消しにしようとする



800兆円の預金が年3% 24兆円で増えている 年金が預金として流れている 
企業の資金余剰 23.3兆円 合計48兆円が国債に購入
1000兆円の借金は実物資産や個人預金で担保





ソフトランディングのシナリオ
国家の団結 企業に対抗 世界国家による富の再配分
ゼロ成長社会 
必要なものが必要な時に必要な場所で手に入る社会
ミヒャエルエンデのいう豊かな社会



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