村上春樹と鎮魂の詩学(小島基洋)

今はない元町宝文館で「風の歌を聴け」を手に取ったのが初めての村上春樹だった。それから、「ダンス・ダンス・ダンス」まで、僕は村上春樹ワールドを通り過ぎるのだが、これらの一連小説の意味など深く考えたことはなかった。

この本は、それぞれの作品に残された記号を拾い集め、つなぎ、謎を明かす。
貫いているのは、「風の歌を聴け」でテニスコートの脇の雑木林で首つりをした「直子」という女の子の鎮魂である。

人の生命というのは君が考えているよりずっと危ういものなんだ。だから人は悔いの残らないように人と接するべきなんだ。「風の歌を聴け」から13年にわたり考え続けてきた、僕の結論が「ダンス・ダンス・ダンス」で吐露される。
そして、直子の鎮魂が成し遂げられ、僕は朝を迎える。



そうかもしれない。村上春樹を読むたびに感じていた「喪失感」は「直子の死」であったのか。

「ダンス・ダンス・ダンス」以降の作品は、ほとんど読む気にもなれない。
もう一度、「風の歌を聴け」から「ダンス・ダンス・ダンス」まで読み返すのもいいかもしれない。


メモ

生と死は対極にあるものでなく、死は生に内包されている。
どこかで聞いたような気がする。


村上龍との会談の中で、無防備だと言われた作品
「街とその不確かな壁」文学界1980年9月号











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